求人票と条件の読み方

求人票の見方:事務職の求人で確認したい7つのこと

求人票は雇用契約書ではありません。事務職の求人を見るときに確かめたい7つの点を、厚生労働省とハローワークの案内をもとに整理しました。固定残業代や試用期間の見方も取り上げます。

チェック欄の並んだ用紙を挟んだクリップボードと、電卓、マーカーが置かれた机の絵

事務職の求人を見ていると、「未経験歓迎」「残業少なめ」といった言葉が目に入ります。応募するかどうかを決める材料になるのは、そうした言葉よりも、仕事内容や賃金、勤務時間といった条件の欄です。

このページでは、事務職の求人票で確かめたい点を7つに絞って整理します。事実として書くのは、厚生労働省とハローワークの案内で確かめたことだけです。運営会社の見方は、そのつど断っています。

求人票で確かめる7つのこと

求人票で確かめる7つのことの図 求人票の紙の形に、確かめる7つを並べた図。1募集している会社は誰か、2仕事内容は具体的か、3雇用形態と契約の期間、4賃金の中身、5就業場所と転勤・変更の範囲、6労働時間、残業、休日、7社会保険と、会社の情報・特記事項。 求人票1募集している会社は誰か2仕事内容は具体的か3雇用形態と契約の期間4賃金の中身5就業場所と転勤・変更の範囲6労働時間、残業、休日7社会保険と、会社の情報・特記事項
本文の内容を図にしたものです。

求人票は「契約書」ではない

ハローワークインターネットサービスの「求人情報の見方」には、求人票は雇用契約書そのものではないため、採用が決まったときは労働条件を書面で示してもらうように、という注意書きがあります(ハローワークインターネットサービス「求人情報の見方」)。

厚生労働省の「確かめよう労働条件」では、まず求人票や募集要項で確かめ、次に面接で再度確かめ、採用が決まったら労働条件通知書などの書面で最終的な内容を確かめる、という流れで説明しています(厚生労働省 確かめよう労働条件「労働条件の明示」)。求人票は、その最初の入口にあたります。

LINEで相談する LINEでお預かりする情報は、面談の日程調整、求人のご紹介、応募先への情報提供、書類づくりや面接の準備、サービスのご案内のために使います。 個人情報の扱い

確認したい7つのこと

1. 募集している会社は誰か

募集広告には、募集主の名称、住所、連絡先、業務内容、就業場所、賃金が表示されている必要があると、厚生労働省が周知しています。インターネットやSNSの広告も対象です(厚生労働省「労働者の募集広告の表示について」)。これらの記載がない募集広告には、特に気をつけるよう呼びかけられています。

2. 仕事内容は具体的か

ハローワークの案内は、仕事内容を「最も重要な項目」としています。分からない点は、相談窓口に確認できます。将来の配置転換が見込まれる場合は変更後の業務が書かれ、予定がなければ「変更範囲:変更なし」と書かれます。

運営会社の見方として、職種名が「事務」でも、仕事内容に電話での営業や接客がどれくらい含まれるかを確かめておくと安心です。扱う書類、使うソフト、対応する相手が具体的に書かれているかを見てください。

3. 雇用形態と契約の期間

フルタイムの求人でも、雇用形態は正社員とは限りません。ハローワークの案内には、契約社員、準社員、嘱託、有期雇用派遣、無期雇用派遣といった区分が挙がっています。

有期の契約なら、更新の基準と、更新の上限(通算の契約期間や更新回数)があるかを見ます。募集のときに書面で示す項目には、契約期間、更新の基準、更新の上限、試用期間が入っています。ハローワークの案内によると、多くの企業が試用期間を設けていて、期間中は賃金などの条件が異なることがあります。

4. 賃金の中身

ハローワークの案内では、フルタイム求人の賃金は税込みの額で、所得税や社会保険料が引かれるため、手取りは少なくなります。通勤手当は、実費で上限なし、実費で上限あり、なし、の3種類です。昇給や賞与の欄は前年度の実績で、採用後の待遇を約束するものではありません。

固定残業代に気をつけてください。時間外労働の有無にかかわらず一定の手当を払う仕組みを採るときは、次の3点をすべて明示するよう、厚生労働省が示しています。

確かめる点見るところ
固定残業代を除いた基本給の額基本給の欄の金額は、手当を除いた額か
固定残業代に対応する時間数と金額「何時間分で何円」と計算方法が分かるか
超えた分の扱い固定の時間を超えた時間外・休日・深夜の労働に、割増賃金を追加で払うと書いてあるか

月給の総額だけが大きく書かれ、内訳が見えない求人は、応募の前に内訳を確かめたいところです(運営会社の見方です)。

5. 就業場所と転勤・変更の範囲

ハローワークの求人票では、就業場所の欄に雇い入れた直後の場所が書かれ、転勤などの見込みがあれば「転勤の可能性」の欄に記載があります。

令和6年4月から、労働契約を結ぶときと、有期の契約を更新するたびに、雇い入れ直後の就業場所と業務に加えて、その「変更の範囲」も示す決まりになりました(滋賀労働局「令和6年4月から労働条件明示のルールが変わります」)。募集のときに示す項目にも、同じ月の職業安定法施行規則の改正で、業務と就業場所の「変更の範囲」と、更新の基準(通算期間や更新回数の上限を含む)が加わりました(厚生労働省リーフレット「企業から受ける労働条件明示のルールが変わります!」)。通える範囲か、将来の異動はあるかを見ておきましょう。

6. 労働時間、残業、休日

募集のときに書面で示す項目には、始業と終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日が入っています。残業が「あり」なのか「なし」なのかは、この欄で確かめます。

パートタイムの求人では、就業時間と労働日数が特に重要だと、ハローワークの案内に書かれています。シフトの都合で希望どおりに働けない場合があるため、窓口での確認が勧められています。

7. 社会保険と、会社の情報・特記事項

募集のときに書面で示す項目には、健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険の適用も入っています。加入するかどうかは、求人票で確かめます。

ハローワークの案内は、事業内容や会社の特長も、労働条件とあわせて確認するよう促しています。「求人に関する特記事項」には重要な事項が書かれることがあります。

項目どうしの食い違いも見る

7つを見たあとは、項目どうしが食い違っていないかを見ます。職種名と仕事内容、賃金の総額と内訳、勤務時間と残業の有無、などです(運営会社の見方です)。答えが書かれていないこと自体が、確認事項になります。

面接での説明が求人票と違うとき

「確かめよう労働条件」には、求人票と面接での説明が違う場合は、ハローワークの窓口か、求職者・就業者専用の「ハローワーク求人ホットライン」に申し出るよう書かれています。申し出があると、ハローワークは会社に事実関係を確かめ、必要があれば指導します。書面がない、内容が分かりにくいときは、書面の交付を求め、疑問点を会社に尋ねるようにとも案内されています。

採用のときの労働条件の明示は、法律で決まっています。労働基準法第15条は、労働契約を結ぶときに、賃金や労働時間などの労働条件を明示するよう使用者に求めています。契約の期間、就業の場所と業務、始業・終業の時刻や休日、賃金の決め方と支払方法、退職に関する事項は、書面の交付で示す項目です(厚生労働省「採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました」)。

求人の表示にも決まりがあります。令和4年10月1日に施行された改正職業安定法で、求人に関する情報の的確な表示が義務になりました(厚生労働省「令和4年職業安定法の改正について」)。

次にやること

  1. 気になる求人を1件選び、7つの項目に当てはめて、書かれていることと空いていることを分ける
  2. 空いている点を、応募前の問い合わせか面接で聞く項目としてメモする
  3. 採用が決まったら、労働条件通知書などの書面を、求人票と見比べる
  4. 求人票だけでは判断しにくいときは、このページの下にあるLINEから、運営会社に相談する

事実確認

確かめた日は2026年10月22日です。出典のページを開いて、次を確かめました。

  • 求人票は雇用契約書ではないこと、フルタイムが正社員とは限らないこと、仕事内容の欄、転勤の可能性の欄、賃金が税込みであること、通勤手当、昇給・賞与の欄、試用期間、特記事項:ハローワークインターネットサービス「求人情報の見方」
  • 確認の流れ、募集のときに書面で示す項目、固定残業代の3点、面接での説明が違うときの申し出先:厚生労働省 確かめよう労働条件「労働条件の明示」
  • 募集広告に必要な6つの情報:厚生労働省「労働者の募集広告の表示について」
  • 労働基準法第15条と書面で示す事項:厚生労働省のページ「採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました」
  • 令和6年4月の変更:滋賀労働局のページ。募集時の明示事項に「変更の範囲」と更新の基準が加わった時期(令和6年4月1日施行):2026-10-22 に厚生労働省のリーフレットのPDFを開いて確かめた。令和4年10月1日施行の的確な表示の義務化:厚生労働省「令和4年職業安定法の改正について」

運営会社の見方は、「運営会社の見方です」と書いた部分と、「次にやること」の手順です。

LINEで相談する LINEでお預かりする情報は、面談の日程調整、求人のご紹介、応募先への情報提供、書類づくりや面接の準備、サービスのご案内のために使います。 個人情報の扱い

出典

  1. ハローワークインターネットサービス「求人情報の見方」
  2. 厚生労働省 確かめよう労働条件「労働条件の明示」
  3. 厚生労働省「採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました。具体的には何を明示すればよいのでしょうか。」
  4. 厚生労働省「職業安定法に基づく周知|労働者の募集広告の表示について」
  5. 滋賀労働局「令和6年4月から労働条件明示のルールが変わります」
  6. 厚生労働省「企業から受ける労働条件明示のルールが変わります!」(求職者向けリーフレット)
  7. 厚生労働省「令和4年職業安定法の改正について」

下書きの作成に AI を使い、出典の確認と最終の見直しは運営会社が行っています。